VRChat内撮影画像
製作時アイデア等
メタフェスワールド製作ワークフロー
会場製作準備
┗トンマナ決定
┗ワールド製作における要件定義
┗ロードマップ決定
┗モデル仕様決定
┗Git運用方法決定
外注管理
┗会場デザイン発注
┗サブモデラー選定
┗サブモデラー教育
会場製作
┗ホワイトボックス作成、導線設計
┗ラフモデル作成
┗プロップモデル発注
┗会場Fixモデル作成開始
┗UnityFixシーン作成
┗必要シェーダー技術検証、作成
最終調整
┗PTC社員を含めVR内での実地確認
┗企業ブース組み込み
┗ライトベイク調整
┗ポストプロセス調整
┗応募作品組み込み
┗負荷計測、負荷軽減
完成
会場製作準備
会場製作準備においては、
・ワールド製作要件定義
・モデル仕様決定
について徹底しました。
ワールド製作要件定義
VRChatというコミュニケーションを主としたゲームの特性と、イベントのテーマである、「クリエイターとユーザーのため」というポイントを活かすという2点から
・様々なユーザー環境に合わせるため、容量、負荷共に軽量であること
・フレンドと簡単に合流できること
・出店物にすべて等しくアピールのチャンスがあること
・ワールドの我が強くならないこと
・見て回ったときに「飽き」や「VR酔い」といったもので体験を損ねないこと
の5点を大きな目標とし、具体的な方向性として、
・タイリングやトリムテクスチャを有効に使い容量を限りなく削減する
・GPUinstancingやBatchingStaticを有効に使えるようなプロップを作る
・LODやカリングを有効に使える設計にする
・導線はスタートとゴールを決めた直線型にせず、最後にはスタート地点に戻る周回型にする
・見晴らしをよくし、遠くにいるフレンドを認識しやすくする。見つけやすい地点までの道を短くする
・導線や視線誘導による目立ちや、ライトの当たり方の変化をなくす
・フレンドとの合流時に無視されがちな出店物も、周回型にしてもう一度見てもらうチャンスを作る
・ファンタジーやSFなどのコンセプトをつけずにシンプルかつオーガニックなものを目指す
・背景となる色や情報量をコントロールし、視線が分散しないようにする
「見て回ったときに「飽き」や「VR酔い」といったもので体験を損ねないこと」から
・VR酔い予防のために情報量を減らしつつ、連続した趣向にならないよう色やシルエットをコントロールする
としました。
モデル仕様決定
初のディレクションであり、サブモデラーへの指示が発生することが予想されたため、基本的な仕様から文書としてまとめました。以下は目次になります。
1.作業環境構築
┗モデリングツール
┗テクスチャリングツール
┗Unity
┗外注、個人ワークフロー
┗各参照URL(Github、プロップ予定表、ロードマップ)
2.モデル製作仕様
┗命名規則
┗エクスポート
┗階層構造・ピボット位置
3.マテリアル・UV・テクスチャ仕様
┗命名規則
┗解像度等
┗UV
┗マテリアル・基本シェーダー
4.Unityファイル構造
┗基本構造
外注管理
会場デザイン発注はVR空間のデザインについて経験のある方と共に、ラフモデルのスクショをさまざまな角度から撮り渡す→デザインの方が加筆して戻ってくるを繰り返しました。
サブモデラー選定については普段から交流のあるモデラーを中心に「モデリング速度、コミュニケーションの反射速度」を重視して採用しました。
サブモデラー教育では、主にBlenderからUnityへの正確なエクスポートの仕方とGitHubの基本的な使い方についてや、後述のフォルダ管理やデータの基本的な構造について教えました。
会場製作
会場製作においては、
・ホワイトボックス作成、導線設計
・UnityFixシーン作成
・必要シェーダー技術検証、作成
について徹底しました。
ホワイトボックス作成、導線設計では、この時点で完成していた会場デザインが円を主体とした複雑な形状だったため、非破壊的に作成することは二度手間になると判断し、他の作業と比べ時間を多くかけることにしました。実際にVRでプレイしサイズ感や独特の圧迫感、移動距離、VR酔いについても考慮し会議を重ね決定しました。
UnityFixシーン作成では、Prefabを有効に活用し、サブモデラーからアセットの追加や変更があっても破壊されにくく、柔軟な対応ができるようにしました。
また、常に当初の5点の目標を頭にいれ、アセットやテクスチャによる情報量のコントロールやVRでの快適性を求め、俯瞰的に作成しました。
必要シェーダー技術検証、作成では、プロジェクトにシェーダーを作るスタッフがいなかったため、UnityアセットであるAmplify Shader Editorを使用し、簡易的なUVスクロールをはじめ、風に揺れる旗や草や木などのシェーダーを6種類ほど作りました。
最終調整
大まかなライトベイクやポストプロセスの調整をし、その他についてはエンジニアの領域が多かったため、主に他のスタッフが担当した。
プロップディレクション
3人のサブモデラーにプロップの制作を依頼しました。
会場よりも出展物をメインにしたイベントのため、過度な作りこみは抑え、シンプルでまとまりのあるプロップとなるようディレクションしました。
会場よりも出展物をメインにしたイベントのため、過度な作りこみは抑え、シンプルでまとまりのあるプロップとなるようディレクションしました。
初のディレクションということもあり、今後発生しうる問題はプロジェクトの初期段階にできるだけ潰せるようエンジニア担当と共に丁寧に整備しました。
ファイルの分散や重複名、プロップ製作者の責任の明確化
複数人でのプロジェクトで一番恐れているフォルダの複雑化とファイルの分散についての防止策として、あらかじめ製作するプロップを洗い出し、一定の命名規則でもってスプレッドシートで管理しました。
命名規則は主に検索性を重視したものになっています。
プロップ数としてはあまり多くなく、スプレッドシート上では約70個ほどを管理していました。
プロップのフィードバックについて
フィードバック(FB)はカードでの管理ができ、視覚でわかりやすいTrelloを利用し行いました。
一つのカードにつき1プロップを割り当て、それぞれワークフローリストを設定しました。
一つのカードにつき1プロップを割り当て、それぞれワークフローリストを設定しました。
・レシーブフォルダ移動
スケールと原点位置を揃えたラフモデルを担当者フォルダへ移動
スケールと原点位置を揃えたラフモデルを担当者フォルダへ移動
・要件、データ仕様確認、説明
ユニークテクスチャの有無や備考などを簡潔に文字として残しておく
質問があれば簡単なMTGをすぐに行い、設置場所や運用方法、機能性を説明し過剰な製作工数を省く
ユニークテクスチャの有無や備考などを簡潔に文字として残しておく
質問があれば簡単なMTGをすぐに行い、設置場所や運用方法、機能性を説明し過剰な製作工数を省く
・テクスチャ設計
ユニークテクスチャを作成するのか、汎用テクスチャを使用するのかの確認
ユニークテクスチャを作成するのか、汎用テクスチャを使用するのかの確認
・プルリク
プロップごとにブランチを分けているので、完成次第メインブランチにプルリクをする(マージ作業は原則エンジニアが行う)
プロップごとにブランチを分けているので、完成次第メインブランチにプルリクをする(マージ作業は原則エンジニアが行う)